2007-10-06

最期のとき。

元気になって笑顔で病院を出て行かれる方もいらっしゃれば、悲しいお別れをしなければならない方もいらっしゃいます。

病院なんだからこれは仕方のないことかもしれません。

今日も悲しいお別れがありました。心肺停止状態での救急搬入でした。
救急室で初めてお会いして、その方の普段のご様子も何にも知らないけれど、そこには確かに尊い命があって、それはとても愛おしい存在でした。ご家族が涙を流される中で私も涙をこらえるのに必死でした。

どうか安らかにお眠り下さい。心の中で患者さんにそう話しかけて救急室を出ました。

働き始めて半年の研修医に出来る事は限られています。判断力も経験もまだまだ不十分なので指導医の先生の指示に従って動く事しかできません。それでも私に出来る限りの事は精一杯させて頂く。

最期の旅立ちを見送る。医者になって一番辛い時です。この時の悲しみ、無力感。。。
なんとも言いようがありません。
でもその気持ちに押し潰されているだけではいけない。
私が医者になれたのは、私にも何か出来ることがあるから頑張りなさいと神様が言ってくださっているからじゃないかと思います。

今までにもらった患者さんのたくさんの笑顔を頭に浮かべながら、とにかく前を向いて少しでも成長できるように研修に励む。今の私に出来るのはそれだけです。

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